央視版 射鵰英雄伝 各話あらすじ（１）
＊目次参照：本国のページのあらすじを元にして、書き直したものです。文章の無断転載はお断りします。
第一話
時は南宋初期、政情暗き時代のことである。
金国の領土となった大陸北部（江北）の民衆は苦しみ、南宋の領土である南部の江南地方のみがわずかに平穏な時を楽しんでいた。
乱世の下、民衆は朝廷の腐敗に憤り、奸賊をこらしめ、悪をただす武林の侠士の出現を待ち焦がれていた。
ある雪の激しい夜、全真教の道士・丘処機（きゅうしょき）は、国を売ろうとする役人を殺害し、牛家村に逃げ込む。
村では、宋の忠臣の末裔である楊鉄心（ようてっしん）と郭嘯天（かくしょうてん）の二人と出会い、意気投合する。
それが災禍の元となるとは、:思いもよらずに･･･。
郭嘯天と楊鉄心の妻はともに身籠もっており、丘道士は産まれてくる子どもに郭靖（かくせい）と楊康（ようこう）という名を贈り、
各々名前の入った短剣を与えて去った。
後日、災禍は不意に牛家村を襲った。突如宋の官兵に襲われ逃げる途中で、郭嘯天は奸臣・段天徳（だんてんとく）に殺され、
妻の李萍（りへい）は役人に捕らわれた。
楊鉄心は血溜まりの中に倒れ、妻の包惜弱（ほうせきじゃく）は、謎の黒衣の一団に連れ去られる。
これを知った丘処機は、二人の仇を討ち、遺児を救出することを誓うのだった。
第二話
気がついた包惜弱は、自分を救った謎の人物の正体を知る。
彼こそ、包惜弱が雪の日に負傷して倒れたところを救った人物であり、金国の王族である第六王子、完顔洪烈（わんやんこうれつ）であった。
段天徳は、叔父である焦木大師（しょうぼくだいし）を頼って、臨安の法華寺に逃げ込む。
丘処機は焦木大師に段天徳の引き渡しを要求するが、困った焦木大師は酔仙楼に江南七怪（こうなんしちかい）を招き、仲裁を依頼する。
江南七怪とは、江南地方で義侠の士として知られる、柯鎮悪（かちんあく）、朱聡（しゅそう）、韓宝駒（かんほうく）、南希仁（なんきじん）、
張阿生（ちょうあせい）、全金発（ぜんきんはつ）、韓小榮（かんしょうえい）の７人の義兄弟のことである。
酔仙楼にて、丘処機は段天徳の悪事と彼をかばう焦木大師を責めていきり立つが、江南七怪はその言葉を信じず、
酒の大甕（かめ）を投げ合い受け止める技を見せ、お互い見事な武功の技を見せたのだった。
店内には、その一部始終を見守っている完顔洪烈の姿があった。
真実を確認するため、丘処機と江南七怪は共に法華寺に向かったが、言い争いから、剣を交えることになってしまう。
激しい戦いで双方が傷を負って地に倒れた時、まさに段天徳が現れたのだった。
第三話
段天徳は、止めようとする焦木大師を殺し、その隙に郭嘯天の妻・李萍を連れて逃げ去ってしまう。
丘処機と江南七怪は、段天徳の非道ぶりに怒り、捕らえられなかったことを悔しがる。
そこで丘処機は、謝罪する江南七怪に提案をもちかける。
郭嘯天と楊鉄心の二人の妻子を捜し出し、その子にお互い武術を教え、１８年後に再び酔仙楼で子ども達に戦わせ、勝負をつけよう
ではないか、と。
このままでは江湖に顔向けできないと思った江南七怪は賭を受け入れることに決め、郭嘯天の遺児・郭靖を探すこととなった。
段天徳は李萍を連れて逃げ回り、北方まで来たところで金兵達に捕らえられるが、その後、蒙古人の集団に襲われ、金兵達はほとんど
殺されてしまう。辛くも虎口を脱出した李萍は、その場で郭靖を産み落とすのだった。
蒙古の片隅で母親の李萍とひっそり暮らす郭靖は、性格は愚鈍で物覚え悪く、６歳になっても父の位牌すら理解できない子だった。
ある日、羊を放牧している時、郭靖は草原で戦闘が行われているのを見る。
戦闘で追われる人物こそ、剛胆な弓の達人であるジェベであり、瀕死の彼の生命を救ったことから郭靖の運命は大きく動き出したのである。
第四話
ジュチ（テムジンの長男）が、ジェベの行方を答えない郭靖を殺そうとした時、ジェベは自ら姿を現した。
テムジンはジュチとジェベに腕比べを命じ、その見事な腕前に感服する。ジェベはテムジンに帰順することを誓う。
テムジンは郭靖に褒美を与えようとするが、郭靖は受け取らず、かえって気骨のある子だと気に入られる。
ジュチとジェベはアンダ（義兄弟）の契りを交わし、郭靖はテムジンの息子の一人・トゥルイとアンダ（義兄弟）の契りを交わす。
テムジンは、アンダ（義兄弟）のジャムハと共に、蒙古族の力をまとめようと考えていた。
そんな中、金国の第三王子・完顔洪煕（わんやんこうき）と第六王子の完顔洪烈が、金国の皇帝の使者として詔書を持ってやってきた。
それはテムジンに金国の官位を授けるものであったが、ジャムハには官位は与えられず、義兄弟のためにテムジンは怒るのだった。
その時、蛮族の兵五万人が使者達を取り囲んだ。思わぬ危機に完顔洪煕は怯えるが、完顔洪烈は剛胆なところを見せる。
テムジンは兵を指揮して蛮兵を蹴散らし、その勇猛さに完顔兄弟は感心する。
多勢に無勢で苦戦するところに、テムジンとジャムハの岳父である大汗・オンハーンが兵を率いて現れ、ようやく危機を脱したのであった。
完顔洪烈は内心でテムジンの武勇に驚嘆していたが、完顔洪煕はオンハーンが差し向けた美女の舞に酔いしれていた。
第五話
酒宴の席で、オンハーンは、テムジンとジャムハ二人の（義理の）息子は、まさに蒙古族の中で最高の英雄好漢であると答える。
この言葉に不快を感じたオンハーンの実子のセングンは、テムジンの部下のジェベが単なる十夫長であると言って辱める。
テムジンはゲルの外に出てから、ジェベを百夫長に任命し、自ら酒を接いだのだった。
セングンの息子トサカはテムジンを馬鹿にして、トゥルイと郭靖と殴り合いになる。
ちょうどその時、通りかかった江南七怪は、郭靖の名を耳にする。朱聡は郭靖が楊康の名の入った短剣を持っているのを見つける。
柯鎮悪は郭靖に出自を訪ね、ついに探し人を訪ね当てた７人は、旅が報われ大喜びしたのだった。
江南七怪の７人は、郭靖に武芸を教えるため、夜中に一人で草原に来いと呼びつける。
７人が郭靖を待っていた時、思いもよらず「銅屍鉄屍」こと、銅屍・陳玄風（ちんげんぷう）と鉄屍・梅超風（ばいちょうふう）が現れる。
二人は夫婦合わせて「黒風双殺」と呼ばれており、かつて柯鎮悪の兄弟子を殺し、彼の両眼をつぶした仇であった。
彼らは人が来ない草原で、頭蓋骨に爪で穴を開けてしまう邪悪な技、「九陰白骨爪」の練習をしていたのである。
江南七怪と郭靖は力を合わせて黒風双殺と戦い、郭靖は偶然から陳玄風に致命傷を負わせ、また梅超風の両眼をつぶすことに
成功するが、その一方で、江南七怪の五番目・張阿生も致命傷を負ってしまう。
郭靖はその場で七人の師匠に叩頭して弟子入りし、五師父・張阿生は郭靖に最後の教えを授け、絶命する。
親の威を借るトサカは、草原に馬を暴走させてトゥルイを殺そうとするが、馬の達人である三師父・韓宝駒に救われる。
やはり殺されそうになったコジン（テムジンの娘、トゥルイの妹）は、郭靖に救われる。
トサカの祖父・大汗のオンハーンは息子を叱りつけ、セングンは面目を失って激怒する。
しかしテムジンは、子どものしたことだから、とトサカを責めず、却って娘のコジンとトサカを婚約させようと申し出るのだった。
第六話
テムジンの申し出にオンハーンは喜び、トサカとコジンの婚約を許した。
しかしコジンはトサカを嫌い、トサカとは結婚しない、結婚するなら郭靖がいい、と言う。
江南七怪の六人（張阿生が亡くなり６人になった）は、テムジンの”息子に武芸を教えてもらいたい”という頼みを断り、郭靖に武芸を
教えるために来たことを李萍に伝えるのであった。
６人から武芸を習い始めた郭靖であるが、元々愚鈍で物覚えが悪いため、いっこうに上達しない。
６人はほとほと呆れて困り果て、郭靖は叱られ通し、コジンはそんな彼を見て笑うのであった。
数年後、丘処機の弟子である尹志平（いんしへい）が、知らせを持って訪ねて来た。
丘処機は無事に楊康を見つけ出し、尹志平の兄弟子でもある楊康は頭脳明晰、武芸も優れて立派である、とのこと。
尹志平の無礼な言いぐさに、江南七怪の６人は怒って彼をたたき出す。
ジェベから弓を教わって腕を上げた郭靖は、ある狩りの日に２羽の大ワシ（鵰）を見事に射落とし、テムジンに献上する。
岩山の上には郭靖に射落とされた大ワシの子どもが取り残されていた。
たまたま郭靖と出会った道士・馬鈺（ばぎょく）は、普通の人が登れないような険しい岩山に駆け上り、幼ワシをとってきたので、
郭靖とコジンはその幼ワシを育てることに決める。
馬鈺の見事な技に感心した郭靖は、夜半にこっそり馬鈺に内功を教わることになった。
第七話
郭靖が、夜半に馬鈺に内功を教わるようになって２年が経った。
郭靖の腕は見違えるほど上達したため、江南七怪は不審に思う。
韓宝駒が捕らえられなかった野生馬（汗血馬の小紅馬）を、郭靖が見事な軽功で捕らえてしまったため、江南七怪は郭靖が他の師匠に
武芸を習っていると気付く。
彼らは郭靖の師匠が梅超風と思いこみ怒るのだが、馬鈺が姿を現して誤解を解く。
梅超風は夫の仇の江南七怪を狙っていたが、馬鈺は江南七怪の６人を全真七子と偽り、目の見えない梅超風を騙して追い払う。
一方、婚約の使者として来たトサカは、実はテムジンをおびき出すためのおとりだった。
テムジンを良く思わないセングンと、義兄弟ながらテムジンの考えに賛同できないジャムハは、完顔洪烈の策に乗ってテムジンを
討とうとしていたのである。
この裏切りを知った朱聡は郭靖をテムジンのところへ急がせる。
郭靖の話をすぐには信じなかったテムジンであるが、セングンの奇襲に苦境に陥る。
郭靖はトサカを人質に捕らえ、セングンに兵を引かせる。
ジャムハはテムジンに一部族の長で十分だと言うが、テムジンは金の言いなりにならないためには部族統一が必要だと説くのだった。
つづく。
続く